マデュロのすべて

allaboutmaduro1葉巻のラッパーは、愛煙家の目を惹く美しい衣装だ。実際、ファッションの分野のエキスパートであるフランス人は葉巻ラッパーを「la robe」と呼ぶ。服の意味である。ちょうど季節ごとの色の流行が服ビジネスに影響するように、そう多くはないラッパ-の色もゆっくりしたペースではあるが流行によって変化する。

長い間、コネチカットラッパーの colorado claro の色合いはプレミアム葉巻の「礼式に従った」色と考えられている。コネチカットラッパーの平で薄い葉脈は葉巻を包むための最上の選択であることは間違いなく、明るい色合いとなめらかな艶と肌合いは、マイルドな葉巻を好む愛煙家に確実な支持を得た。
しかし、この頃の愛煙家たちの贔屓は、よりコクのあるボディおよびより強い風味プロファイルを備えた葉巻に変わりつつある。ラッパーは風味プロファイルの10-15パーセントを占めるにすぎないが、その視覚的外観は、葉巻の特性を喫煙者に示す際、大きな影響を発揮する。より暗い色合いのラッパ-は、愛煙家がより挑発的な色合いだと認識したことによって、今、大きく需要を増やしている。

より暗い色合いのラッパー色、「マデュロ」。
マデュロラッパー葉を作るにはいくつかの方法がある。

伝統的な自然な方法

allaboutmaduro3「マデュロ」はスペイン語で熟成を意味する言葉である。熟成イコール時間と言っても過言ではないほど、マデュロラッパーはより多くの時間を必要とする。 まず、マデュロになるため選ばれた葉は、刈り取りの時期を遅らせて畑に残される。日の光を充分に受け育成に時間をかけられただけ、油分と糖分の含有量を増やしていく。次に、ラッパーのタバコ葉を高温で発酵させる。より長く、より高温で発酵させる pillon (bulk)ことによって、自然に暗い色合いに到達する。
しかし、すべてのタバコがこのプロセスに適しているとは限らない。Conneticut Broadleaf, Habana 2000, Mexican Sumatran などの厚みとたくさんの葉脈を持つ種類のタバコが長時間の高温発酵(発酵温度は通常45℃のところ65℃)に耐え、マデュロラッパ-となれるタバコ葉である。自然な方法で作られたマデュロラッパ-の葉巻は、僅かにざらったした質感と多少の色斑を有するが、これもこの発酵プロセスを経てきたためである。

“Cooking”の方法

高温でタバコを発酵させることはかなり手際を要する仕事である。より多くの時間と人手がかかるだけでなく、このプロセスに多少でも不首尾があった場合は、完全な損失となる。
葉巻メーカーの何社かは、時間とコストを節約、しいてはリスクを削減するためスチーム調理器具を使用しタバコ葉を2時間位蒸す方法でマデュロラッパーを作っている。この方法を使用すれば、短時間で多くのマデュロラッパーを生産することができる。多くの人は、この料理されたマデュロラッパーに騙された感を抱くが、メーカーは均一な色にする唯一の方法だと主張するだろう。この点で料理されたマデュロラッパーを識別するのは非常に容易である。ラッパーが少しの斑もなく均一に暗色をしていたら、メーカーの希望通り、それは料理されたマデュロラッパーである。 一方でマデュロよりさらに暗い色合いの oscuro については、”Cooking”の方法でしか到達できないのも事実である。

染色する方法

タバコ葉を自然な染料から作られる”casing sauce”と呼ばれるソースに浸すかあるいはスプレーしてマデュロの色合いを作り出す。ほとんどの場合、「甘味料」がソースに加えられタバコ葉の自然な甘味をより高めようとしている。このような方法でつくられたマデュロ葉巻の見た目があまりにも良いため、真実から離れるばかりである。識別する方法も必要なく、唇と指についた汚れが哀しい存在を証明してくれる。
この染色によるマデュロ葉巻は、欺くという言葉に限り無く近いとみなして間違いないだろう。現実にこの方法によるマデュロラッパーのプレミアム葉巻が存在するが、この方法は dry cigar ビジネスの専売と考えるべきである。

たっぷりの油の艶を纏うどれほどセクシーな暗色であっても、それが従来の自然な方法の結果でない場合、私はマデュロラッパー葉巻を吸いたくない。最良の製品を作るショートカットはない。
なぜなら、誰にも時間を操ることはできないのだから。

Posted: October 31st, 2004   |   Category: 葉巻の知識