Cigar Expert

expert1ある日、心ここにあらずだったのだろう、私はヘッドを切らずに葉巻に火をつけていた。吸おうとしてそれに気づき急いでヘッドを切った。1服目。まったく焦げ味がしない。どんな葉巻愛好家にとっても最初の1服目はとても重要だ。この1服目は新鮮だった。妻の横顔に知らない女を見たような驚きを味わった。だからといって、いつもの自分のやり方を変える気持ちにはならなかったけれどね。

数カ月後、そんな経験は忘れた頃、古い葉巻雑誌のページをめくっている時 Jacques Puisais氏(フランスの味わい研究所所長)を見つけた。カットする前に火をつける方法は彼がすでに発表していたのだ。

しかもPuisais氏の確立した方法は、1服目は吸わずに吹くという斬新なものだ。Viva la France! さすが蘊蓄家フランス人。フランス人が葉巻の世界にまで手を出しているとは思わなかった。態とらしいこの方法をお薦めしようとは思わないけれど、1回ぐらいなら試すのも面白いかもしれない。

ヘッドをカットして葉巻に火をつける。言葉にすればとても簡単なことが、奥深い葉巻の世界だからと、細かいルールや特別な技が必要だと思っている人が少なくない。私もルールや技にはまった時期があったけれど、今や肩の力は抜け(抜け過ぎているかもしれないけれど)いつのまにかベテランといわれるほど葉巻とつきあってしまった。シンプルが一番。そう今の私は思っている。

Posted: January 4th, 2001   |   Category: 葉巻なエッセイ