Dunhill Signed Range Cigar

Dunhill Signed Range Petit Corona

Dunhill Signed Range Petit Corona

パイプを手に入れるために、ロンドン、セント・ジェームズのAlfred Dunhillに始めて訪れたのは76年の初冬だった。世界中どこでもDunhillのパイプを買うことはできるがここセント・ジェームズのAlfred Dunhillで1本を選ぶということが、若かった私のパートナーの気持ちを昂らせ、Dunhillであろうと本来たばこ店にまったく興味のない私までが次第に静かな興奮に巻き込まれていった。店内のたばこの香り、上質な慇懃を纏った年配のパイプ担当の店員、次から次に出てくる木製のパイプトレイ。私とDunhillの出会いである。店が新しく変貌してからは訪れることもなくなったが、Dunhillが私に与えた印象は今も鮮烈に私の中に刻まれている。Dunhillという名前が持つ力は、時間をかけて作りだされた伝統であり、信頼を得るべく守り続けられてきた技術であり、堅固な自信に裏付けられている誇りである。
嘗てDunhillはキューバにおいて高品質の葉巻を生産をしていた。葉巻愛好家にとってはキューバンDavidoffの印象ほど強くなかったが、現在でもそのヴィトラのいくつかがオークションに出れば、非常に高額で落札されるほどキューバンDunhillの評価は高い。キューバ撤退後、キューバ以外のいくつかの産地での生産を試みたが、高いイメージを維持できる葉巻を作り出すことは容易ではなく、キューバンDunhillと並ぶことはできなかったと言えるだろう。

Unique code number on each Dunhill Signed Range cigar

Unique code number on each Dunhill Signed Range cigar

2002年11月Dunhillの名前を冠した新しい葉巻が日本においても発売された。その名も”DUNHILL signed range シガー”。新商品はドミニカ製だがフルボディな味を好むスモーカーにとってもしっかりした強さと味を与えてくれる。特にPetit Corona, Coronaは満足できる仕上がりである。その他のヴィトラは太さの影響でやや強さが抑えられていて上品な印象である。
昔からDunhillのパイプには細かいコード番号がつけられ番号を読む楽しさがあるのだが、この葉巻にも1本づつバンドに番号がつけられている。Dunhillスピリッツが感じられる。また、ボックスには職人たちの手書きサインが記されたラベルがはられsigned range シガー(署名されたシガー)シリーズ名の由来となっている。
この葉巻は都内のセレクトされたショップで先行発売されている。行きつけのショップがその中にはいっていれば実に幸運。ヴィトラとの相性というのもあるし、シガーこそ自分で手にとって火をつけてみないとわからないから。
もう若くはない私のパートナーと”DUNHILL signed range シガー”のPetit Coronaに火をつけて、時を経て再び、ふたりでDunhillに出会っている。

Posted: December 5th, 2002   |   Category: Non Cuban Cigars