Villiger Export

villigerexport2ビリガー・エキスポートは「間違えてチョコレートを買ってしまった」と思わせ るように、一本一本紙にくるまれている。広告の写真ではきれいに包装紙がむけ るようになっているが、ビリビリとビリガーは破かなくてはならない。そしてチ ョコレートと確信させる長方体のシガーが出てくるのである。何だコレはと驚く なかれ、その形は頑固この上ない。

いかにも男が吸うべきシガーであるのだ。丸ければどう持っていっても口にしっくり入るが、四角となると、口に持って行くべき方向は限られる。それも長方形となると、たった一つの方向しかない。縦には口に入りづらい。横に肘をはって持っていかなければならない。胡座(あぐら)をかいて、盃(さかづき)からお酒を飲むように肘を高々とあげなくてはならない。いかにも偉そうに男らしく。ビリガーはスモーカーにこれしかない吸い方を強いるのだ。

ドイツのシガレットで「ゲルベゾルテ」というのがあるが、それは卵型をしている。何かの雑誌で「ゲルベゾルテ」は腹黒い男が似合う、とあるのを読んだことがあるが、楕円形はまだやさしい。長方形は融通がまったくきかない頑固で武骨な男にこそふさわしい。

ビリガーはスイスで製造されているが、そのパッケージデザインも飾り気がなく 50、60年代を思わせる。クリーム地に赤いラインにチョコレート色の円はいかに もスイスらしい。別にどうということない目立たないデザインだが、スイスの父 親といったイメージがある。寡黙な父親は目立たないところで世の中を支えてい るものだ。そんな男の指の間にビリガーのシガーは似合うのだろう。

このシガーは「スターバックス」のうまいエスプレッソとやりたいが、はたして 灰皿なんか無い店で頑固一徹に居座ることができるだろうか。

Posted: February 5th, 2000   |   Category: Non Cuban Cigars